『Paranoia Star e.p.』と『Lost Moon e.p.』の解説その2。

次は『Paranoia Star e.p.』について書きます。
これはCHOCOLATE DERRINGERの2nd Singleです。M3-2016秋の為に書き下ろしました。

1曲目は「Paranoia Star」。
タイトルは、丸尾末広の漫画『パラノイア・スター』から。
丸尾末広は近年、緻密で繊細な絵柄&昭和初期&エログロナンセンス路線に回帰していると思います。
「あー、丸尾末広が帰ってきたあ」って感じで嬉しいのですが、私は1980年代半ばの絵柄や作風、
つまり、単行本で言うと『パラノイア・スター』ですね、この辺りも大好きでして。
遠藤ミチロウが一時期、パラノイア・スターというバンドをやっていましたし、
いつかこのタイトルを使いたいなあと思っていました。
「パラノイア」というのは、日本語だと「偏執病・偏執者」って事ですかね。
最初は暗〜いミニマル・サウンドにしようかと思ったのですが、あえて、真逆の明るいノリノリ曲にしようと思い、
70年代グラムロックと80年代テクノポップのチープさと、スウィングした四つ打ちを全面に打ち出した曲にしました。
サビのベースラインは、元MARCHOSIAS VAMPのベーシスト・佐藤研二を意識して作りました。
あと、『Lost Moon e.p.』を作っていた頃から忌野清志郎やRC SUCCESSIONが私の中で再燃してまして。
軽快なロックンロールをやりたいなあと思って、でもエレキギターではなく、ソフトシンセでやりました。
蒼姫ラピスの他にVickiも出てきます。これらをミュートしたバージョンも収録しました。

2曲目は「ヒヤパカ」。
タイトルは、山野一の漫画『ヒヤパカ』から。
私が山野一作品を初めて読んだのは高校生の頃でしたが、後頭部を鈍器で殴られた様な強い衝撃を受けました。
エロ、グロ、ナンセンス、バイオレンス、ドラッグ、サイケデリック…その他諸々の下品でド底辺なモノが、
渾然一体となって、これでもかと襲いかかってくるのでした。
特に『どぶさらい劇場』には、「そうそう!私はこういう音楽をやりたいんだよ!!」と非常に強く共感しました。
まあ、それはいいとして、「ヒヤパカ」はフランスのハウス系レーベル「Robsoul Recordings」の作品みたいな、
適度に弛緩した空気感を持つ楽しい曲にしようと思い、ファンク+ディスコ+ピコピコシンセな曲にしました。
エレキギターもホーンもピコピコキラキラシンセも出てきます。
この曲は最初、インストゥルメンタルにしようと思っていたのですが、結局はVickiに英語を喋らせました。
歌詞に出てくる「シュヴァルの理想宮」というのは、フランスに実在する奇妙奇天烈な建造物です。
これは何だろう…。正にパラノイアな男・シュヴァルが、男一匹裸単騎で現世に挑んだ、その結果・結論ですかねえ。
いや、シュヴァルとしては、これが結果・結論だったのかなあ?…私には分かりません。
昔、一人きりで欧州一周旅行をした際、シュヴァルの理想宮を観に行こうかなあと思っていたのですが、
「いや、でも、あの世界観・人生観に卒倒しちゃうかも…」と何だか急に怖くなり、結局、観に行くのは止めました。
観に行けば良かったなあ。今はそう思います。
あ。そうそう。
山野一が再婚して、今は双子の女の子の父親で、もう鬼畜な漫画は描いてないというのをネットで知った時は、
これはこれで物凄い衝撃を受けました。なんちゅうか…人も時代もドンドン流れて行きますね…。
もう私には追い付けません。まあ、追い付こうと思った事も無いのですが…。

3曲目は、「高速回線は光うさぎの夢を見るか?」。
タイトルは、華倫変の漫画『高速回線は光うさぎの夢を見るか?』から。
私が華倫変を初めて読んだのは、1990年代半ばの「週刊ヤングマガジン」掲載の短編だったと思います。
決してテクニカルとは言えない、しかし、独特で奇妙な味わいを放つ絵柄と、
ほんのりとした異常性を醸し出す登場人物、台詞、展開に、じんわりとした衝撃を受けました。
そんな華倫変の世界観を、ほんの少しでも音楽に出来無いかなあと思い、トライしてみた次第です。
ぼんやりとした淡色で、それでいて、精神的に圧迫してくる感覚…こういったモノを音色やフレーズにしてみようと。
このトライは暫く続きそうです。
歌詞は蒼姫ラピスに歌わせました。蒼姫ラピスのフワフワした声質にはピッタリな曲調だと思います。
しかしながら、蒼姫ラピスをミュートしたバージョンも収録しました。これはこれで別の愉しみがあると思います。

ジャケットは、眼鏡っ娘がビリヤードをやっている姿です。
『Lost Moon e.p.』と『Paranoia Star e.p.』は、「陰と陽」の関係性にしたかったんですね。
それぞれ独立しつつも、二枚で一つの作品になるという。
なので、『Lost Moon e.p.』のジャケットが「陰」で、『Paranoia Star e.p.』のジャケットが「陽」になってます。
『Paranoia Star e.p.』のジャケットは、シンプル且つカラフルで、とても気に入ってます。
歌詞ページは、眼鏡っ娘がビリヤードをやっている四コマ漫画になっていて、
レーベルは、ビリヤードの球になっています。是非ご覧下さい。

二作同時制作というのは、私にとって初めての試みだったのですが、とにかくM3-2016秋に間に合って良かったです。
今回も素敵な絵をたくさん描いて下さったEMIさんに、この場を借りて御礼申し上げます。

『Lost Moon e.p.』にも『Paranoia Star e.p.』にも、
私の大好きな70年代グラムロックと80年代テクノポップを主軸として、
ファンク、ディスコ、アンビエント、エレクトロニカの要素を散りばめました。
荒く拙い部分も多々有りますが、聴いて下さった皆様に少しでも楽しんで頂けたら、私はとても嬉しいです!
どうぞ宜しくお願い致します。




スポンサーサイト

コメントの投稿

Secre

プロフィール

吉川孤蝶

Author:吉川孤蝶
吉川孤蝶と申します。
CHOCOLATE DERRINGER(チョコレート デリンジャー)で作詞・作曲・打ち込み等をしています。
70'sグラムロック、80'sテクノポップ、90'sエレクトロニカ、昭和の音楽、映画、漫画、文学をこよなく愛しております。
シンセピコピコドラムドカドカな踊れる躁鬱病的電子音楽を作れる様、日々精進しております。
サウンドクラウド
https://soundcloud.com/chocolate-derringer
BOOTH
https://chocoderri.booth.pm
宜しくお願い致します。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR